名古屋市の東谷山フルーツパークで見かけたナシの花。ここでは、幸水・新水・豊水・菊水・陽水・長十郎・八雲・新興(しんこう)・清澄(きよすみ)・豊月・晩三吉(おくさんきち)・新高(にいたか)・長寿などの品種がある。
<ナシの「三水」とは>
20世紀前半までは、「二十世紀」、「長十郎」という2つの品種のナシが主に生産されていたが、その後、「幸水」、「新水」、「豊水」と名付けられた。更に甘くておいしいナシが登場し、「二十世紀」、「長十郎」に代わって多く生産されるようになった。
これらのナシには、いずれも「水」という文字が使われているので、まとめて「三水」と呼ばれている。
今では、この「三水」にあやかって、「築水」、「愛甘水」、「陽水」、「南水」などいくつかの品種に「水」が使われている。
○「三水」の品種登録年
・幸水…昭和34年(1959)
・新水…昭和40年(1965)
・豊水…昭和47年(1972)
<豊水の両親>
美味しいナシ「豊水」は、ナシの栽培面積の2割ほどを占める主要品種だが、誕生した昭和29年(1954)当初は、「リー14」と「八雲」という品種が両親とされていた。
しかし、両親のいずれも果皮が緑色の青ナシなのに、子供の「豊水」は果皮が褐色の赤ナシであるため疑問が生じ、しばらくの間、両親不明とされていた。
その後、平成15年(2003)10月に茨城県つくば市の(独)農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所の調査の結果、種子親(母親)は「幸水」、花粉親(父親)は「イー33」であることが明らかとなった。こうして誕生以来49年を経てようやく両親がわかった。
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