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ヤチボウズ(谷地坊主)は湿地を好むスゲ類が作り出した根の固まりで、その形が坊主頭のような形をしていることから付けられた名です。このような形になるのは、枯れたスゲの上に新しいスゲが育つためです。スゲは秋には枯れてしまうが、年間を通して低温な気候であるため、スゲの葉や根が分解されず、その上に新たなスゲ類が育ち、枯れるという作用を繰り返しながら徐々に高くなっていく。
さらに土壌が凍結して隆起する寒冷地特有の凍上現象によって、スゲの根を押し上げるため坊主頭のような形になっていくといわれている。
そして、何十年もかけて春先の雪解け水や雨水が湿原に流れ込んで根元周辺の土を土を流失させるため、根元は細くなっていき、人の頭のような形になる。ヤチボウズの中心部分は虫のすみかになっている。アリ、クモ、ムカデ、甲虫類も住んでおり、時にはサンショウウオがもぐり込んで越冬したりすることもある。釧路湿原国立公園にて。 |
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