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水栽培で知られるヒヤシンス。地中海沿岸原産の渡来種で、ユリ科の秋植え春咲き球根です。水栽培のほか鉢植えや花壇にも使われる。花色は白、青、ピンク、赤、黄色、紫など多彩、強い芳香がある。群植すると見栄えがする。
ヒヤシンスの水栽培をやった。3個の同じ種類の球根をそれぞれ同じ容器に同じ場所に同時に置いた。1個は、じきに根が出た。しかし、他の2個は半月たっても短い根が4、5本出ただけ。その根も5p位で止まったまま。まるで腐ったような感じで水にゆらゆらゆれている。最初に出た根はぐんぐん伸び、容器の下まで太くたくさん届いている。同じ店で買い求め、同一条件でスタ−トした。
私は、2個の球根はもうだめだと思った。半月も経過したのに成長する姿が見られないのだ。これ以上置いておいても成長は望めない。球根は、初めから腐っていたんでいたのではないかと思った。あまりにも成長の差が大きすぎる。日増しにぐんぐん伸び、見ていても気持ちがいい1個。それにひきかえ他の2個は初めにほんの少しだけ根を出し、その後は何も変化なし。
ある日、私は、「球根が悪いので捨てることにする。」と言ってしまった。次の週にびっくり。なんと、捨てようとした2個の球根の根が伸び始めているではないか。それを見て、同じ種類の球根でもこんなに成長の差があるのか、成長の初期の姿だけ見て判断した自分の見る目のなさを恥じた。
球根でもこんなに差があるのだ。まして、人間ならもっと大きな差があるはずだ。大器晩成という言葉があるが、大器でなくても普通でいい。どんな子供でも、成長のきっかけをつかんだときに根が出、芽が伸び始めるのだ。2個の球根は、2週間余のウオ−ミングアップ期間が必要だった。「2週間もたったのに」と思ったのは間違い。「まだ2週間しかたっていない」と思わなければ。2週間たって成長のきっかけを得たんだと。
どんな人も、きっかけさえつかめばそのものの持っている内在的な力で成長を始める。時間は関係ない。ウオ−ミングアップの期間は人それぞれでいい。大切なことは、「どんな人(もの)もいつか必ず伸び始める」という気持ちで接すること。成長初期の姿にばかり目を向けないことだ。
蒔かぬ種ははえない。はえるまで待つ心を基本としながらも、発根や発芽を促す手だても待つ心と同様に重要なことである。 |
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