|
|
|
|
|
|
|
|
ユズリハ科の常緑高木で暖地の海近くに多い。5月から6月に新しい葉が伸びると、古い葉が散る。新しい葉が出ると古い葉が垂れ下がって道を譲るように見えるのでこの名がついた。葉には赤い柄があって、裏は白っぽい色をしている。
4月から5月に葉の付け根に房状の花が咲き、10月から11月に藍色の実が熟す。縁起木で葉を正月の飾りにも用いられる。分布:本州の福島県以南〜沖縄・朝鮮・中国。 |
|
|
|
|
|
|
|
「 ゆずり葉 」 河合酔茖
子供たちよ。
これはゆずり葉の木です。
このゆずり葉は
新しい葉が出来ると
入り代わってふるい葉が落ちてしまうのです。
こんなに厚い葉
こんなに大きい葉でも
新しい葉が出来ると無造作に落ちる
新しい葉にいのちをゆずって────。
子供たちよ
お前たちは何をほしがらないでも
すべてのものがお前たちにゆずられるのです。
太陽のめぐるかぎり
ゆずられるものは絶えません。
かがやける大都会も
そっくりお前たちがゆずり受けるのです。
読みきれないほどの書物も
みんなお前たちの手に受け取るのです。
幸福なる子供たちよ
お前たちの手はまだ小さいけれど────。
世のお父さん、お母さんたちは
何一つ持ってゆかない。
みんなお前たちにゆずってゆくために
いのちあるもの、よいもの、美しいものを、
一生懸命に造っています。
今、お前たちは気が付かないけれど
ひとりでにいのちは延びる。
鳥のようにうたい、花のように笑っている間に
気が付いてきます。
そしたら子供たちよ。
もう一度ゆずり葉の木の下に立って
ゆずり葉を見る時が来るでしょう。 |
|
|
|