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宝永5年(1708)5月、尾張藩は木曽の住民たちが、「ひのき・さわら・こうやまき。あすなろ・ねずこ」の5種類の木を伐採することを禁じ、掟を破る者は死罪にした。「木一本首一つ、枝を落とせば腕を斬る」として怖れられると共に、山を失った村人の経済は音を立てて崩れていった。
<ひのき>
科目 |
ひのき科 |
特徴 |
材質が緻密で狂いがない。耐久性、色調、芳香に富む。 |
用途 |
建築材、家具材、船舶、 |
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木材の王者。材は帯黄白色、緻密で光沢・芳香があり、諸材中最も用途が広く建築材として最良。「火の木」の意味で、昔はこの木をこすって火をつくったことからその名が出たという。古称、「ひ」。
葉の裏を見ると、「Y」の字形のような白い文様(白斑)が連なっている。サワラの葉とよく似ている。 |
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<さわら>
科目 |
ひのき科 |
特徴 |
水に強い、材質が均等で加工しやすい。柔らか。耐久性、色調、芳香に富む |
用途 |
桶、盆、手桶、屋根材、曲げ物。 |
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材は桐に次いで軽く、「爽らか」(さわらか)からその名が出た。割りやすく水湿に対して強いので、古くから水桶やたらい、屋根板に使われている。
葉の裏を見ると、「V」の字形のような白い文様が連なっている。ヒノキの葉とよく似ている。 |
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<こうやまき>
科目 |
すぎ科 |
特徴 |
耐湿に富み木肌がが美しく、芳香に富む。
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用途 |
風呂桶、建築材、舟材。 |
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一科一属一種の針葉樹で日本特産。水湿に強く、古くから風呂桶や水桶、船材、橋梁材として使われている。樹皮は「まいはだ」と称し、水槽・船などの空隙をふさぐのに用いる。(中津川市の市木)
葉は傘の放射状の骨のような形をしており、松の葉のように一本一本鋭くとがっている。木曽五木の中では、最も区別のしやすい葉の形をしている。 |
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<あすなろ> (明日檜:あすひともいう)
科目 |
ひのき科 |
特徴 |
材質は均等だがひのきに劣る。ひのきにに比べて成長が早い。
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用途 |
建築材、家具。 |
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青森ではヒバ、能登ではアテと呼ぶが、一般名は「アスナロ」。耐久性が高く土台や土木用材、俎板(まないた)として適する。材を蒸留して得られる精油は殺菌性を持ち薬用になる。
葉の裏を見ると、「米粒」の形のような白い文様(白斑)が連なっている。ヒノキやサワラとは葉の形が違っていて、厚みがあり区別しやすい。 |
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<ねずこ>
科目 |
ひのき科 |
特徴 |
軽量で耐湿、木目が細かく、軽い。 |
用途 |
造作材、下駄、家具材。 |
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材がねずみ色にうす黒いところからその名が出た。材は軽軟で杉に似た芳香がある。耐朽性が高いので屋根板や外壁材として使われている。
葉の裏には白い文様(白斑)がなく、麦の穂状に連なっている。黒檜と書いてクロベまたはクロビと呼ばれている。昔は樹皮を火縄に用いた。 |
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