|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
<熊野(ゆや)の長フジ>
国指定天然記念物 1本 県指定天然記念物 5本
国指定樹は、境内西北隅に位置し、幹は根本より分かれて二支幹となっている。根本で約1.8mもある。
本堂前の境内地にある5本のフジは県指定樹であるが、国指定に劣らないフジの巨木である。ともに、樹齢は定かでないが老木であることは間違いない。
花房が1m以上にも伸びて、紫色の美しい花をつける。一般的には「熊野の長フジ」と呼ばれている。そのいわれは、平安時代の終わり頃、熊野御前(ゆやごぜん)が植えたとの伝承がある。熊野御前については謡曲熊野や平家物語にも登場する。親孝行で有名な美女である。 |
長フジ |
国指定天然記念物(1本) |
県指定天然記念物(5本) |
樹齢 |
約850年(推定) |
約300年(推定) |
樹勢 |
根廻2.9m、樹高2.5m |
根廻2.4m、樹高2.5m |
特徴 |
花房の長さ1.5m(最長)、花の咲き終わった後に葉が繁る。 |
花房の長さ1.5m(最長)平均90p、花色紫。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
<謡曲「熊野」と行興寺>
遠江国池田の宿の長 熊野は平宗盛(清盛の次男)の寵愛を受け、京都清水の桜見物に出かける。熊野は病母から届いた手紙で見舞いに赴きたいと思い、宗盛に暇を乞うが聞き入れられず、やむなく宗盛に同行した。花の下の酒宴が始まり舞を舞った熊野は、俄(にわか)の村雨に散る花に寄せて故郷の病母を気遣い
いかにせん 都の春も惜しけれど 馴れし東の花や散るらん |
と和歌を詠んだのを見て宗盛も哀れに思い、暇を与えた。熊野はこれも清水のご利生と喜んで故郷へ帰って行った。
熊野は藤の花をこよなく愛し、行興寺本堂側に熊野が植えたと伝えられる老木があり「熊野の長フジ」と称せられている。
行興寺は、今より800年の昔、延久元年の創建にて、謡曲で有名な、熊野御前の旧跡である。当寺には熊野御前の守本尊厄除十一面観世音(恵心僧都作)熊野御前とその母、侍女朝顔の暮墳がそのまま昔を物語っている。
「熊野の長フジ」の見頃は、年により相違があるが、平年4月下旬から5月上旬である。熊野記念公園を中心に「熊野の長藤まつり」が開催され、様々なイベントが開催される。 |
|
|