コリア庭園は、神奈川県と韓国・京畿道との友好提携(平成2年4月)を記念し、在日韓国・朝鮮人の方々が『故郷』を感じ、また多くの県民が朝鮮半島の文化に対する関心と理解を深める場となるように整備した。
この庭園は「前苑」「前庭」「主庭」「後庭」「後苑」の5つの空間により構成。庭園入口部にあたる「前苑」にはチャンスン(部族の繁栄を象徴する立石に由来。チャンスンには、石チャンスンと木チャンスンがあり、コリア庭園の木チャンスンには、上部に人の顔面を呪術的に彫刻し、腹部に「天下大将軍」「地下女将軍」の字を刻してある。)やソッテ等を配し、村の風景を創り出している。正門手前の「前庭」には、家勢の繁栄を願う大池円島を設置した。「主庭」は別堂「通友齋」を中心として、流れ・半月池・亀形山・六角亭「観自亭」からなり、塀の外部となる自然林には京幾道地方の特色を持つ灯籠を建て、寺院に見立てた風景を創り出している。「後庭」には花階とチャントッテ(醤油、味噌、漬け物などの壺を置く場所で、台所に近い後庭に造られる)を設け、コリア庭園の特徴を表現。「後苑」には祭壇石(陰型)・立石(陽型)・支石(陰陽和合型)・神木(サカキ)を立て、巨石文化を象徴的に表現し、山麓には天池(卵池)・草亭を築いた。
これらの空間を結ぶのが水の流れです。後苑の井字型泉から湧き出した水は、龍象曲水形の遺水と二段の滝、卵形の天池を流れ、主庭の六角亭「観自亭」に接する半月池に溜まり、前庭の方池円島に達する。
庭園の内と外は塀によって仕切られ、この塀は歴史的変遷に沿って磐境石から始まり石塀から土塀につながり、石と土を混ぜた土石塀になる。後庭の花階は、花草文様のレンガ塀により囲まれている。
この庭園事業にあたっては、設計・施工に際し韓国庭苑家の監修のもとに、京幾道の全面的な協力を得るとともに、建物の瓦や扁額、灯籠等の石造物、庭石など韓国特有の資材のの寄贈を受けた。(説明文) |