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『月日は百代の過客にして行きかふ年もまた旅人なり。舟の上に生涯を浮べ、馬の口とらへて老いを迎ふる者は、日々旅にして旅を住みかとす。古人も多く旅に死せるあり。予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず。海浜にさすらへ、去年の秋、江上の破屋に蜘蛛の古巣を払ひて、やや年も暮れ、春立てる霞の空に、白河の関越えんと、そぞろ神のものにつきて心を狂はせ、道祖神の招きにあひて取るもの手につかず。股引の破れをつづり、笠の緒つけかへて、三里に灸すうるより、松島の月まづ心にかかりて、住めるかたは人に譲り、杉風が別墅に移るに、
草の戸も住み替る代ぞ雛の家 』
松尾芭蕉の「奥の細道」。立石寺で詠んだ「閑さや 岩にしみ入 蝉の声」はあまりにも有名である。立石寺は、仙山線「山寺」駅で降り、登っていく。
山寺駅は小さな駅だが、山寺参拝客用にコインロッカーがあり、便利であった。駅を出て5分程度で参道入り口に着く。ここから石段をずっと上まで上がっていくことになるが息が切れる。五大堂に到着すると、風のすがすがしさを実感する。眼下には集落が小さく見える。 |
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