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わたくし、生まれも育ちも葛飾柴又です。帝釈天で産湯をつかり姓は車、名は寅次郎、人呼んでフーテンの寅と発します |
1番 |
俺がいたんじゃ お嫁にゃ行けぬ わかっちゃいるんだ 妹よ
いつかおまえの よろこぶような 偉い兄貴に なりたくて
奮闘努力の 甲斐も無く 今日も涙の
今日も涙の 日が落ちる 日が落ちる |
2番 |
どぶに落ちても根のある奴は いつかは蓮の花と咲く
意地は張っても心の中じゃ 泣いているんだ兄さんは
目方で男が売れるなら こんな苦労も
こんな苦労も掛けまいに 掛けまいに
男というもの つらいもの 顔で笑って
顔で笑って 腹で泣く 腹で泣く |
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とかく、西に行きましても、東に行きましても、土地土地のお兄貴(あに)さん、お姐(ねえ)さんにごやっかいかけがちになる若造です。以後、見苦しき面体(めんてい)見知りおかれまして、恐惶万端(きょうこうばんたん)ひきたって、よろしくおたの申します |