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下山順一郎は、嘉永6年(1853)成瀬家の家臣下山健治の長男として、犬山北宿(御幸町)に生まれた。
幼少のころは敬道館に学んだ。明治3年(1870)貢進生(政府の奨学生)として上京し大学南校に入学、3年後薬学を学ぶため大学東校(東京大学医学部製薬学科と改称)へ転校、同11年首席で卒業し母校の助手を務め、翌年助教授となった。同16年より3年間ドイツへ留学、生薬学を研修した。
特に「キニーネの定量法の研究」は有名である。帰国後は、東京医科大学教授、同26年アメリカ、フィラデルフィア薬学大学の名誉教授に選ばれた。同32年には薬学博士の学位を授与された。我が国、薬学博士の第1号である。さらに、同35年政府から西洋諸国の視察を命じられ、同37年帰国し、2年後には半生の心血を注いだ「日本薬局方註解」を著し、その後も薬学の指導と研究に努めた。
明治45年(1912)没。享年60。 |
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