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富岡鉄斎は近代日本の南画を生んだ巨匠として知られる画家である。
天保7年(1836)、二条衣棚に法衣商を営む維叙の次男として生まれ石田梅岩の石門心学を重んずる家風の中に育ち、儒教並びに仏教の学に親しんだ高士的学者をもって任じていたが、当時の一大風潮となっていた南画を学ぶにおよんで、天性の画才を発揮し、比類まれな渾厚老蒼の作品を精力的に産出した。
当処は鉄斎が明治15年(1882)から大正13年(1924)12月31日に没するまで、40有余年の朝夕を過し、鐵齋芸術の全貌があらわになったゆかり深い旧跡である。その晩年に建てられた画室は無量寿佛堂と名付けられて現存している。 |
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