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<ダウン症の天才書家「金澤翔子」>
昭和60年(1985)東京都目黒区に生まれる。ダウン症でありながら、母の師事で5歳から書を始める。 |
20歳の時、銀座書廊で初個展。鎌倉建長寺、京都建仁寺で毎年個展。福島に「金澤翔子美術館を開設。 |
27歳、NHK大河ドラマ「平清盛」揮毫。銀座に「銀座金澤翔子美術館」を開設。 |
28歳、国体の開会式で揮毫。天皇の御製を揮毫。 |
30歳、国連本部でスピーチ。ニューヨーク・チェコなどで個展。 |
京都に「シナリー金澤翔子美術館」開設。愛知県立美術館、福岡県立美術館で個展。 |
奈良東大寺・平泉中尊寺・熊野大社・厳島神社・太宰府天満宮・比叡山延暦寺・伊勢神宮・薬師寺春日大社など日本各地の社寺にて揮毫・奉納、個展を行う |
般若心経を10年ごとの節目に書き続けており、30歳で書き上げた般若心経を深いご縁もあり、龍雲寺に奉納する。縦4m×横16mという「世界一大きな般若心経」で、金澤翔子のまさに代表作である。 |
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<一円相>
一円相(いちえんそう)とは、禅における書画の一つで、円を一筆で書いたものです。円は、非常にシンプルな形ですが、これを迷いの心なく書くことは非常に難しい。円の途中で、「きれいに書きたい」という欲が出ると、きれいな円にはなりません。今回、翔子さんに円相を書いて欲しいとお願いをしました。
純粋なお釈迦様のような心で暮らす翔子さんが、自分の心を表すという「円相」を描いたらどんな円相になるのか、非常に興味がありました。
「円を書け」という師匠の言葉に、「円ってなに?」と言う、禅問答のような会話から書き始めたこの円相は、まさに翔子さんの心の様です。力強く、ただどこか優しい。
翔子さんの母、泰子さんは、翔子さんを帝王切開で出産する日に、空に「×」の形の雲が3つ浮かんでいて不吉な予感がしたと言います。出産後に、ダウン症として生まれた翔子さんを前に絶望したそうです。これからどうしていけばいいのか?
ただその後、一生懸命に翔子さんと向き合い、翔子さん自身の努力もあり、日本を代表する書家となり、今では、翔子さんは、泰子さんにとって絶望どころか日々明るく照らし幸せな思いをもたらしてくれる存在です。
この円相の中の空白が「母胎の中の赤ちゃんに見える」と泰子さんはおっしゃいました。出産前に「×」で始まった縁が、ここで「○」になったかもしれません。「お母さま!翔子は○だよ」と翔子さんの声が聞こえてきそうです。
(右の丁酉水無月は暦の事で、この書を書いた日 2017年6月を意味します) |
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<月光>(げっこう)
翔子さんは、「月」が大好きです。今は一人暮らしとなったが、時々、お母様にスマホで「月が出ているよ・・・」とその為にだけ電話をよこすようです。平成28年(2016)30歳 |
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<如来一切 自在神力>(にょらいいっさい じざいじんりき)
「如来の一切の自在の神力」とても難しい語句です。お母さんが法華経を調べていくうちに、この語句に魅了されてしまったようです。それを翔子さんに託します。平成25年(2013)27歳 |
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<飛翔>(ひしょう)
「飛翔」は何度書いたでしょうか。大胆な運筆流石であります。最近は線に深みが出てきました。これも大字を長年書いているからでしょう。まだ若い翔子さんは果てしない「書」の道を歩いています。それは飛翔の如く羽ばたいて貰いたいです。平成31年(2019)33歳 |
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縦4m×横16mの「世界一大きい般若心経」で、金沢翔子30歳の節目の記念作です。30歳の時に愛媛県立美術館に於いて開かれた金沢翔子書展でのメイン作品として書かれたもので、龍雲寺の寺族と深い縁があり、涅槃堂新築に合わせ奉納された。
般若心経三蔵法師が天竺から持ち帰った大般若経がルーツです。大般若経は600巻からなる非常に長いお経ですが、その600巻を266文字にまとめたものが般若心経です。(字数は題字の「摩訶般若波羅密多心経」を除いた本文のみの字数)
般若心経のメインテーマは「空」
この世のすべては、決まりきったものは一つもありません。すべて自分が、そう思っている世界がここに広がっています。この世に嫌な人はいないのです。嫌だなと思う心が相手を嫌な人に見せているのです。いま幸せか不幸かも、状況が決めるのではなく、自分の心が幸せと思うかどうかです、「楽しい人生を過ごす事」は難しくとも、「楽しく人生を過ごす事」か今日から出来るのです。すべて自分の心次第、余計なこだわり、かたより、とらわれを捨て去り、世の中をまっすぐ素直に見て、幸せに楽しく暮らすことが大切です。 |
翔子さんは、まさに、「空」の心で、日々を楽しく生きています。そんなお釈迦様のような心を持つ翔子さんが書き上げた般若心経。私たちは、書の素晴らしさ以上に、翔子さんの生き方を見て、日々の生き方を反省していかねばなりません。 |
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金沢翔子と龍雲寺は先代住職が浜松大学の学長をしていた当時に、浜松大学の小島先生の紹介で知り合いました。その後、現住職の娘たちと翔子さんがお友達になりお泊まり会などをするなど家族ぐるみでのお付き合いとなっていきました。
その様なご縁の中で、様々な作品が龍雲寺に奉納され、入場無料での書展開催となっております。
30歳の記念作で翔子さんの代表作である「世界一大きい般若心経」も良縁の結果、龍雲寺に奉納されました。
翔子さんの作品は障害のある方への希望だけではなく、悩み深い社会を生きる多くの方々の救いとなっています。
翔子さんの純粋な心、まさにお釈迦様のような心・仏の心に作品を通じて触れ、自分の生き方を反省し、素晴らしく生きる為の皆様の道しるべに、この作品がなれれば幸いです。(解説文は、書展の内容から引用です) |
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Hannya Singyo |
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金沢翔子さんの素晴らしい作品を多くの人々に届けたいという気持ちから、このHPを掲載しています。 |