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和田城 遠山氏   長野県飯田市
郷土館和田城
郷土館和田城 郷土館和田城
 遠山郷の領主遠山氏は、多年居住していた名古山・長山城からこの地に移り、天文の末頃(1550)和田城を築いた。
 しかし、遠山氏は元和3年(1617)に家督相続のもつれから家督取締のかどで改易となり、幕府直轄領となった為、武家諸法度一国一城令により、和田城は廃止された。
 その後、慶安元年(1648)家光より龍渕寺へ朱印地として下付され、慶安4年(1651)以後、寺の境内地となっていた。現在、城跡に郷土のシンボルとして郷土館和田城が建設されている。
郷土館和田城 和田宿
和田城
 本城は遠山氏三代の本拠をもった遠山景広が築城した城で西南より南に続く平場で、前面は遠山川を見下し伊那山脈の南端をなす。後面は赤石連峰があり四方を山で囲む遠山谷のなかで最も広い和田平野の中心に位置している。
 展望は、南西は谷間に開けて十原城・長山城。大町城。満島方面の連山を望み、北方は合戸峠を望み盛平山の山頂に登ると熊野城・中根城方面、数里離れた程野地蔵峠を望み遠山領域を一望できる盛平山を背景とした和田城である。
本丸
 西より南に麓をめぐる半月形の細長い平坦地で東西十二間乃至二十三間、北は龍渕寺境内にして南西面に広がって背後は盛平山の急傾斜となり南北西の三面は高さ四十尺乃至六十尺の断崖となっている。
出丸
 本丸の北西部に突出て一段低く細長い平場広さは二十間巾五間北西に突端して出丸の三面は断崖である。現在はこだま観音を祀ってある。
城下町
 和田城本丸台地の下に展開する平坦地は城下町であった。城下町は和田宿で南は正善寺下方から、北は新町山麓まで約四町、東は尾屋敷より遠山川に約三丁の広がりが城下町である。
尾屋敷
 城下町東方の山麓。現在老人福祉センター附近の一帯は遠山氏またはその重臣の邸宅地であった。
殿町
 殿町平坦な地の中央一帯で現本町裏附近で遠山氏の家臣の住居があった。
桜門前
 和田宿現本町新町本町の小池沢を渡って城下にあたる門前に大桜があったので桜門と云ったが城の追手門である。
的場
 現在の老人福祉センター裏方の山麓の小池沢附近に的場があった。遠山氏の弓引き場で弓道の鍛錬をした。
物見台
 和田城の後にある盛平山の山頂に西約50間南北に30間の小平地で展望が最も良く北は地蔵峠方面、南西は満島方面も見られるが和田城の束は地形的に防備上欠陥があった。遠山氏はこの地に物見の番所を設けた。
高平館跡
 和田城の南西の正善寺山麓に東西190間南北15間乃至35間平坦地に高平館があるこの館は遠山景広の甥遠山刑部正善の居館である。
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