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旧二条駅舎は、京都鉄道株式会社の本社社屋兼駅舎として明治37年(1904)に建てられた。京都鉄道は明治40年(1907)に国鉄に吸収され、以後国鉄、次いでJR西日本の駅舎として利用された。
建物は本屋の両端に翼を張り出した左右対称の平面で、その正面と背面に庇をもうけ、正面中央に車寄をもうけている。本屋の中央部分を入母屋造の2階建とし、棟の両端に鴟尾をのせる。両翼は入母屋造、正面中央の車寄は切妻造となっている。全体的には伝統的な和風の意匠を基調とするが、待合所の丸柱の柱頭飾りや上げ下げ式の窓などに洋風の意匠が取り入れられている。また構造的には小屋組にトラスを組む洋風の技術が採用されている。
当所の本屋の1階は中央に広く待合所をとり、手荷物取扱所・改集札係室などを配していた。2階は事務室にあてられていた。また正面向って右側の翼には一二等待合室と特等待合室が廊下を挟んで並び、反対側の翼には貨物係室・駅長室などが置かれていた。
旧二条駅舎は、京都の近代化を体現する建築遺構であるだけでなく、明治期に建築された本格的な和風駅舎としては現存する唯一のものであり、平成8年(1996)4月1日、京都市指定有形文化財に指定された。(近代土木遺産)
<旧二条駅舎>
・明治37年(1904)竣工
・平成8年(1996)移設
・木建造物(入母屋屋根,中央部2階建) |
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