|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
小原村(現在は合併して豊田市)は愛知県の中央部の北にあり、海抜300mの山間地になるため、和紙の原料となる”こうぞ”の育成に適している。
室町時代の隣村東加茂郡旭町の三玄寺の柏庭和尚が”こうぞ”の栽培をすすめ、これが普及して江戸時代には小原村は凧紙・傘紙の三河森下紙の産地として全国的に知られていった。こうして、大正初期までは、全村が紙すき業とし、紙の村として大いに栄えたが、大正末期以後は、全国的に和紙の需要が減少し、小原村の紙すきも衰退の一途をたどった。
この村へ、昭和20年、愛知県碧南市出身の工芸家「藤井達吉」が疎開してきた時、伝統ある良質な小原和紙の衰退を惜しみ、この美術化を考案した。そして、村の青年達に美術和紙工芸の製作を指導したのが、現在の小原和紙工芸へと発展していった。
小原和紙工芸の特色は”こうぞ”の繊維を染めて、風景・静物・抽象デザインなどを、襖(ふすま)・屏風(びょうぶ)・額・色紙などに漉(す)き込む、全国にも類のない独創的なものです。絵画には見られない指し工芸の美しさ、柔らかさ、温かさなどがあり、現在では高度の工芸品として、国内はもとより、海外でも高く評価されている。
毎年全国各地から出品される日展の紙芸品では、小原村がその多くを占めており、高度の工芸品と着目されている。日本一の「紙芸の村」とも言える。 |
|