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<三ヶ日温泉・湯元 煌天の湯>
徐々に朱に染まる幻想的な夜明け。対岸より姿を現す優しくも大きな日の出。時と共にキラキラと輝きを増す太陽。風や船のたてる波紋。夜空にぽっかり浮かぶ月。一日の移り変わりを湖面に映し出す猪鼻湖。その猪鼻湖とほぼ同じ高さかや入浴を楽しんでいただける露天風呂が、三ヶ日温泉・湯元「煌天の湯」(こうてんのゆ)です。季節・時間・天候など、様々な装いをシアター感覚で堪能出来るところより命名いたしました。
男湯は岩風呂、女湯は檜風呂、肌がすべすべになる効能を持つ「美人湯」三ヶ日温泉の源泉を利用した自慢の施設です。ここには、景観を大切にした大浴場とサウナも併設されています。
晴天が見込まれる朝は、少し早起きされて、温泉に浸かりながらオレンジ色の(直視しても眩しくない)大きな大きな日の出を拝まれてはいかがでしょうか。そして夜は、湖面に映る美しい月に酔いしれてください。
効用は、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進
アルカリ性単純温泉(アルカリ性低張性低温泉(26.4℃)(リステル浜名湖・説明文より) |
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○温泉はなぜからだによいか (北大名誉教授 阿岸裕孝)
温泉は洋の東西を問わず昔から医療にあるいは心身のリラクゼーションに利用されてきたが、その利用法は時代や場所によってさまざまであるが、私たち日本人は温泉というと熱い湯に手足を伸ばして首までたっぷりつかるという情景を思い浮かべるが、ヨーロッパの人たちは、水浴ばかりでなく泥浴、運動浴、飲泉、吸入、蒸気浴などバレエティーに富んだ場面を想像するだろう。事実、ヨーロッパでは温泉の利用法は多彩であり、しかも周囲の自然環境のもつ保健作用にも強い関心がもたれていて、そのための施設やシステムが整備されている。
<自然療法と温泉>
現在の温泉療法とは、「地下の天然産物である温泉水、天然ガスや泥状物質などのほか、温泉地の気候要素などを含めて保健・医療の目的に利用する」ことである。すなわち、温泉水ばかりでなく周囲の気候や地形など自然環境のもつ保健作用を活用する気候療法の概念も含まれているのである。
<温泉成分の薬理作用>
温泉(水)は地中から湧出する温水、鉱水および水蒸気、その他のガスで、泉源での温度が25℃以上のものが、決められた物質のいずれかひとつが限界値以上を含むものである。温泉のうち、特に治療の目的に利用されるものを「療養泉」といい、その化学成分によって次の9種類に分類されている。すなわち、単純温泉、二酸化炭素泉(炭酸泉)、炭酸水素塩泉、ナトリウム塩化物温泉(食塩泉)、硫黄塩泉、鉄泉、硫黄泉、酸性泉、放射能泉である。各泉質にはそれぞれ特徴ある生体作用のあることが知られていて、おおよその適応症が示されている。例えば、食塩泉は強い血管拡張作用、保温作用、殺菌や傷の治りを早める作用もある。炭酸泉の炭酸ガスや硫黄泉の硫化水素などは、皮膚から速やかに吸収されて強い血管拡張と血流増加作用がある。ナトリウム、カルシウム、マグネシウムなどの硫酸塩泉や炭酸水素塩泉は、抗炎症作用や抗アレルギー作用、血管拡張作用、さらに鎮静、鎮痛効果もあり、リウマチ性疾患や湿疹によい。
<温泉浴の直接作用>
熱いお湯に首まで浸かるという入浴法では、からだの機能に強い影響を与える。
1.浮力:全身浴では体重が空気中の9分の1ほどになり、間接などへの負担が減り手足の運動が容易となる。
2.静水圧:水中では水深に応じてからだに水圧がかかる。立位で首まで水に浸かると、手足や腹部の血液が心臓へ押し上げられ心臓に負担がかかる。
3.温熱:温熱により抹消の血管が拡張して血流が増加する結果、酸素や栄養分が抹消の組織まで十分に供給され、老廃物の排出も速まる。新陳代謝が盛んになり細胞が活性化する。ただし、日本人の好む42℃以上のような高温浴では、血圧が急に上昇したり、血液粘度が増したりするので高血圧症や高齢者には勧められない。高温浴では、交感神経系が刺激され、心身の流動性を高める。早朝の短い高温浴では一日の仕事にやる気を起こさせる。一方、水温が38〜40℃のぬるめの温浴では、血圧上昇もなく血液粘度はむしろ低下する。また、副交感神経が優位になって、鎮静的に働くので寝る前の長めの温浴は熟睡を誘う。
水中運動では水の浮力や静水圧などの作用に加えて、水の粘性抵抗により、空気中での同様の運動に比べて酸素消費量は数倍大きく、糖尿病や肥満の予防や治療に最適である。水温が高ければ筋弛緩・鎮痛作用なども増して運動器障害のリハビリテーションにはもちろん、レクレーションや健康増進に対して優れた効果がある。
<温泉を利用した健康保健地療法の意義>
現代的温泉療法では、ストレス解消や生活習慣病予防などといった積極的な健康づくりが主な目的となる。実際には、日常生活から一時的に離れて温泉地に転地し、ある期間滞在することになる。保養期間中は新しい気候環境の中で、温泉浴や水中運動のほか、のんびりと休んだり、変化に富んだアウトドアライフやスポーツを楽しんだりする。さらに周囲の地形を活用して、例えば森林浴、海洋療法(タラソテラピー)、登山(地形療法)などを組み入れる。このような受動的および積極的休養行動は利用者の健康度や体力、好みに応じて、医学的な根拠に基づいて選択できるようにする。
これらの刺激がからだ全体に総合的に繰り返し加えられると、諸機能が揺さぶりを受けて変調していき、生体が本来持っている自然治癒力が鍛錬され強化される。その結果、病的あるいは歪んだ機能が正常化して健康状態を取り戻したり、健康水準が高められることになる。すなわち、温泉地での自然療法は薬や入院などによる治療を要するほどでない半健康状態での心身機能を早いうちに健康状態に回復させたり、体力を増すなどの健康づくりを志向する療法である。
一人ひとりの健康づくりには、栄養・運動・休養がバランスよく行われることが重要である。これらを同時に総合的にできる施設やソフトプログラムが備わっている場所が、「健康保養地」である。温泉療法は、まさに温泉を柱とする健康保養地療法であり、全ての人にとって健康づくりの目的に最も適しているものといえよう。(「煌天の湯」説明版・リステル浜名湖) |
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