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<海の東海道「御前崎」>
御前崎は、静岡県の最南端の岬に位置している。
徳川三代将軍家光の時代、経済の発展につれ江戸と大阪を往来する菱垣廻船(ひがきかいせん)や樽廻船(たるかいせん)が急増し、岬沖の岩礁で座礁、漂着する難破船も多く、昔から航海の難所だった。
このため、幕府は、寛永12年(1635)、灯台の元祖とも言えるあんどん型の「見尾火灯明堂」を建設したが、強風・高波の時にほとんど役に立たず、230年もの間、難破船があとを絶たなかったという。
明治時代にになって、カンテラ灯台が建設され(1871)、その1年後には、現在の西洋式灯台の建設が始まった。英国人リチャード・ブラントン氏が設計、監督した灯台は美しく、百余年の間、烈風や戦争の銃弾、地震等の被害にも屈せず、また、海難事故をなくそうと御前暗礁上に建てられた「御前岩灯標」(沖灯台)とともに海の安全を見守っている。
現在、駿河湾の湾口に位置した御前崎港は、季節風に対して静穏な水面を有するため、古くから船舶の避難場所として利用されており、昭和23年(1948)に修築事業に着手以来、地方港湾、国際貿易港、重要港湾の指定を受け、県中西部の物流拠点としての位置づけのもとに多機能性を持った港湾整備が進められている。 |
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