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宮古島は、沖縄本島、西表島、石垣島に次ぐ沖縄県第4位の大きさの島で、宮古諸島の中心であり東京から約1800km、沖縄本島から約300kmに位置する。
宮古島の核心を成していた平良市は、平成17年(2005)10月に周辺の、池間島、大神島、来間島、伊良部島、下地島を含む市町村と合併し、宮古島市となった。
市の人口は5.5万人であり、石垣島を含む八重山諸島全体のそれに匹敵する。緯度はフロリダ州のマイアミと同程度で冬季でも暖かい。近年、羽田、関空、中部らの空港から直行便が就航、宮古島南部の海岸沿いに大規模リゾート施設が開業、また、伊良部大橋の完成で注目を集めるようになって内外の観光客が急激に増加して、平成27年(2015)に年間50万人であったものが、平成30年(2018)には100万人を超えるようになってきている。
<宮古島の路線バス交通事情>
宮古島の路線バスは宮古島市の中心の平良地区市街地と、市内の旧郡部(宮古郡)の旧上野村・城辺町・下地町・伊良部町の地域、北部、池間島を放射状に7路線を運行している。どれも地元住民、通学生の生活路線かつ赤字路線で市からの補助金で補填している。宮古島一周路線は無く、主要な観光地はバス停から離れていて、地理に不案内な旅行者には利用しがたい。宮古空港ターミナルにも毎日数本の路線バスが立ち寄るだけで、ホテルからの送迎バスやレンタカーを利用しない個人旅行者の利用には不便である。便数増加の構想も幾度かあったが、タクシー業界の反対で立ち消えで現行の状態が維持されている。
路線バスの拠点は平良地区の相互に離れた2箇所にあって乗換は不便であった。近年、伊良部島大橋が開通と同時に平良港にバス結節地点としての拠点バス停が設置され、バス会社3社の乗換が可能になった。
<宮古協栄バス平良バスターミナル> |
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市役所から東方の県道243号線沿いの平良字西里に本社ターミナルがある。アクセスは、徒歩で、平良港から20分、市役所から15分で便利とはいいがたい。
○施設
構内は本社事務所、バスとタクシーの車庫が大部分である。
以前は、待合室があって、この前での発着が基本であったが、近年、大多数のバスが平良港まで乗り入れるようになってから、県道バス停での乗降が主になっている。
○路線
系統 |
路線 |
行先 |
観光地への行き方・便数 |
1番 |
新城・吉野・保良線 |
旧城辺町東部方面 |
景勝地の新城海岸へは、新城バス停から徒歩25分。吉野海岸へは、吉野バス停から徒歩30分。東平安名崎へは、保良バス停から徒歩50分。平日8本 |
2番 |
長北・山北線 |
旧城辺町北部方面 |
ヨナ浜、比嘉。平日3本 |
3番 |
友利線 |
旧城辺町西部方面 |
景勝地のイムギャーマリンガーデンへは友利バス停から徒歩15分。平日7本 |
4番 |
与那覇・嘉手苅線 |
旧下地町方面 |
景勝地の前浜ビーチへは、上地南バスから徒歩25分。与那覇前浜へは、与那覇バス停から徒歩30分。平日7本、内2本は来間島を経由する。 |
5番 |
新里・宮国線 |
旧上野村方面 |
南部海岸にある、うえのドイツ文化村へは、宮国バス停から徒歩10分。平日8本。内3.5本が空港ターミナルに乗り入れている。 |
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<八千代バス平良バスターミナル> |
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(ターミナルから池間島方面を望む) (ターミナルから平良港方面を望む) |
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(ターミナルの北方に在る車庫。路線バスが待機駐車している。) |
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市役所から北方の県道83号線沿いに南から北へ、バスターミナル、バス車庫、本社事務所が間隔をおいて所在している。バスターミナルまでのアクセスは、徒歩で平良港から15分、市役所から5分、宮古協栄バス平良ターミナルから20分を要する。
○施設
構内は、狭い敷地にバスとタクシーが入出場するのみであるが、バス停ポールからバスの折り返し場的な感じが受け取れる。以前は砕石敷きであったが、最近、アスファルト舗装がされた。待合室は無く、県道バス停での乗降が主であるので、待ち時間が長いと利用者に負担をかけることになる。北方にある、バス車庫、本社事務所には、路線バス、貸切バスが駐車している。
○路線
系統6番、池間一周線。北部の池間島(漁協前)とを往復の1路線のみで毎日8本ある。池間一周線とあるが、池間島を一周するわけではなく、往復の経路が異なるだけである。
池間島発はバスターミナル前から延長して平良港へ行き、また、バスターミナルへ戻る、変則的な運行をしている。北部は過疎地で、利用者が少なく小型バスでの運行が多い。
<平良港(結節地点)> |
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平成27年(2015)1月31日に伊良部大橋が開通し、平良港と伊良部島を結ぶ客船・フェリー航路が2月1日に廃止された。同時に、代替交通機関として、伊良部島内で運行していた共和バスが伊良部大橋を通って平良港まで乗り入れるようになった。
また、従来あった小規模なバス停を3社のバスが乗換できるように、市によってバス停が改良整備された。
○施設
数台停車用バスホームと路線図・時刻表の掲示板がある。バス停のポールには、「宮古協栄・八千代・共和 BUS STOP 平良港(結節地点)」の表示がある。
待合室は、伊良部島航路で使用していたマリンターミナルの待合室を転用している。
○路線
・宮古協栄バス 5路線
・八千代バス 1路線
・共和バス 1路線 系統7番 佐和田・伊良部・佐良浜・平良線 |
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<路線バスの将来への個人的な思い>
宮古島は、4月の宮古島トライアイスロンの実施時に、夏季の旅行者の集中時に、中国、台湾からのクルーズ船の寄港時に、島内のタクシー需要が逼迫し、空港ターミナルでタクシーを捕まえるのも難儀する事態が生じている。この改善策として、近年、実験的に「宮古島くるりんバス=10人乗りライトバン使用の乗合タクシー」が2018年は4月から9月までの平日の日中で14便、空港と市街地、平良港間で運行を始めた。
平成31年(2019)3月30日に下地島空港にLCCが就航予定であり、クルーズ船寄港の増加が予想されており、今後、旅行者はますます増えていくであろう。
平良港で3社のバスが乗換できるようになったのは前進である。しかし、平良港は街外れにあり、また、バス時刻表の設定は各社の都合を優先し乗換もスムースにできるようにはなっていないので利用者にはまだ十分でない。
将来的には、シティホテル、ビジネスホテルの集中する市役所・繁華街周辺に3社統一のバスターミナルを設置し、空港へせめて日中30分毎に、またレンタカーを利用しない個人旅行者のためにも主要な観光地へも立寄るような交通施策を図って欲しいものである。
こうすることによって、宮古島訪問者の満足度を上げて宮古島経済全体の向上が期待できるであろう。【2019年2月現在】
(画像と解説文は I・H さんの提供) |
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