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 <バスターミナルを巡る写真紀行

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萩バスセンター 萩市の交通拠点   山口県萩市
萩バスセンター
 萩バスセンターは山口県萩市唐樋町(からひまち)に位置する防長交通、JR中国バスのバスターミナルである。両社の路線バス、高速バスが発着する。
 場所は萩市街の中心、東田町商店街の南で、参勤交代の御成道であった萩往還の起点の唐樋札場跡(唐樋高札場跡)から南100mである。JR東萩駅からは南西1.6km、萩駅からは北へ1.9kmの行程である。西側進入口は旧萩往還の道、東側出場口は大正時代の新道、市道にある。近辺にはスーパーマーケット、アーケード商店街があり、また、旅館、ホテルも多くあり、市民、観光客の利用には便利な場所である。
 現在の東萩駅は、優等列車の停車が無くなり普通列車のみ、本数も削減されて、萩市の表玄関としては、寂しい状態になっているが、バスセンターがこれに代わる萩市の拠点になっている。城下町が近いので、ここのコインロッカーに荷物を預け、明倫センターを始め、旧跡をめぐる旅が短時間に開始できる。
 萩市の主要部は、日本海に面し、橋本川と松本川によって、三角州を形成している。鉄道は歴史的な経緯から、三角州を迂回するように敷設され、市街地に駅が設置されなかった。それも一因か、江戸時代の城下町絵図がそのまま使用できるほどの歴史ある街並みが保存されて、観光業が主要な産業の一つとなっている。
 昭和45年(1970)10月から始まった「ディスカバージャパン」のキャンペーン、「アンノン族」と呼ばれた若い女性客達の出現、昭和50年(1975)3月の山陽新幹線の博多開業で、萩市への旅行ブームが出現し、個人、団体、修学旅行らの観光客が増加した。しかし、近年、そのブームも去り、その数は年々減少し、また、人口も減少してきているが、反面、喧噪から外れた落ち着いた史跡めぐりを楽しめるようになってきている。
萩バスセンター 萩バスセンター
(萩往還側から乗り場全体を見る) (乗り場)
沿革
[昭和6年(1931)5月]
 山陽本線の三田尻(現在の防府)と山口市とを結ぶ省営バス・三山線が開業した
[昭和8年(1933)3月]
 陰陽連絡交通として、東萩駅まで延長されて省営バス・防長線に改名、この時、自動車駅の萩市駅が設置された。
[昭和24年(1949)6月]
 国鉄バス・防長線となり、大型バスが投入された。一方、防長交通(昭和10年に防府自動車として設立、昭和26年に徳山市に本社を移転、昭和31年に現社名に改名)が昭和26年(1951)12月に、防長線と重なる、防府〜山口市に新規開設し、その後、萩市までの路線を開設した。両社のバス運行体制で陰陽連絡交通の地位を確立していった。
 防長交通は、昭和30年代に現在位置にバスセンターを設置し、東萩駅、萩駅、秋芳洞他の近郊を結ぶバス路線を開設した。
[昭和50年(1975)3月]
 山陽新幹線博多開業に合わせて小郡駅(平成15年10月に新山口駅に改名)と東萩を結ぶ「特急はぎ号」の共同運行を開始した。
・国鉄バス(小郡駅ー山口駅ー佐々並ー萩市駅ー東萩駅)
・防長バス(小郡駅ー太田中央ー萩バスセンターー東萩駅)
 また、これに合わせて、バスセンターが改築された。
[昭和62年(1987)4月]
 国鉄分割民営化に伴って、国鉄バスがJR中国へ承継され、JR中国バスとなった。
[平成2年(1990)8月]
 大阪と直結する夜行特急バス「カルスト号」の運行を開始した。現在では、京都まで延長されている。
[平成5年(1993)4月]
 東京と直結する、夜行特急バス「萩エクスプレス」の運行を開始した。現在、1010kmを14時間半で運行している。
[平成11年(1999)]
 市道の歩道拡張に伴い、萩市駅は廃止され、JR中国バスもバスセンターに乗り入れるようになった。
[平成12年(2000)4月]
 市街地を周遊する路線バスの設定がなかった萩市がコミュニティバスとして、循環バス「まあーるバス」を防長バスに委託して運行を始めた。これは、東回りコース(松陰先生)と西回りコース(晋作くん)の二系統からなり、市民、観光客の両方に便利なように市役所周辺、旧市街、松陰神社周辺の全域をカバーするようにルートが設定されている。  
[平成27年(2015)1月]
 NHK大河ドラマ『花藻燃ゆ』の放映開始に併せて、新山口駅から萩・明倫センターに、高速道路経由でノンストップで結ぶ「スーパー特急はぎ号」の共同運行4往復を開始した。現在では、萩バスセンター、東萩駅へ延長運行をしている。
[平成29年(2017)9月]
 「特急はぎ号」の運行を終了し、翌月から、「スーパー特急はぎ号」8往復体制に改定されている。年々、路線バスの縮小が進んでいるが、現在、約190本のバスが発着をしており、山陰地方では最大規模のバスターミナルとなっている
<施設全体
 敷地は約1500u
 案内所、乗車券売場、待合スペース、トイレ、コインロッカー、売店・土産物店、喫茶飲食スペース、タクシー待合所がある。
 バス待機場は無く、防長バスは南西1kmの萩営業所との回送方式で、JRバスは東萩駅前が待機場である。
乗降ホーム
 1〜3番乗り場は道路と直角方向にホームが設置されており、4番乗り場のみ、ホームがなく、道路上の停車スペースで乗降をしている。
1番のりば  路線バス 津和野行快速、近郊路線
2番乗り場   夜行高速バス 萩エキスプレス(東京行きー防長交通
カルスト号(神戸・大阪・京都行きー防長交通、近鉄バス)
特急バス スーパーはぎ号(新山口駅行き)
路線バス 新山口駅行き(防長バス)
山口駅、湯田温泉行き(JR中国バス)
秋芳洞行き急行
3番乗り場 青海大橋行き快速、近郊路線 
コミュニティバス「まぁーるバス」西回り
4番乗り場 東萩駅行き、コミュニティバス「まぁーるバス」東回り 
タクシー乗り場 乗合タクシー 萩・石見空港行き  前日予約制
乗合タクシー 山口宇部空港行き  前日予約制
萩バスセンター 萩バスセンター
(スーパー特急はぎ号、4番乗り場に到着、降車のみ)
萩バスセンター
(スーパー特急はぎ号、東萩駅へ向けて発車)
萩バスセンター
萩往還側から乗り場全体を見る。4番乗り場に「まぁーるバス」東回りが停車中)
萩バスセンター 萩バスセンター
 (待合スペース)             (山口宇部空港行の乗合タクシー)
萩バスセンター 萩バスセンター
  (改築前のバスセンター)        (改築前の東萩駅に停車中の国鉄バス)
個人的な感想> 
 もう、改築から40年以上は経過しているが、大きな改修もされていないようなので、全体的に簡素で古びた田舎のバスターミナルの感じを、次の観点から受けるが、却って近代的なターミナルより親しみを感じ、味わい深く思える。
・ホーム全体を覆う大屋根を武骨な鉄骨梁と6本の丸柱で支持
・古びた感じを醸し出している、鉄骨梁への塗装と表示
・大屋根前面の「バスターミナル」の表示
 (看板屋が貼付文字の取り付けを間違えたのか、ンがソに、ハの字体は左右逆、のように見える)
 バスセンターの北800mに吉田松陰が入獄していた野山獄跡がある。今から160年前の安政6年(1859)、安政の大獄に連座した松陰が、江戸召喚の命を受け、5月25日出獄、本バスセンター西の萩往還を通り、江戸に檻送されていったことに思いを馳せると感慨深いものがある。(2019年7月現在)
(画像と解説文は I・H さんの提供)
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