|
|
展示の木製4翅プロペラは、経年劣化により木材の積層構造がわかる。木製プロペラは、厚さ20o程度の木材を接合し整形する。さらに表面の保護と防湿のために漆を塗布した。 |
|
|
|
上画像のF−5飛行艇はイギリスから輸入され、広工廠を含む国内で量産されたが、いずれも木製4翅プロペラが装備されていた。 |
|
|
|
初期の木製プロペラは、中南米産のマホガニー等を材料として造られていた。展示の木製2翅プロペラは、プロペラ表面や付け根部分の刻印から、大正15年(1926)4月に広工廠航空機部で製造されたもので、大きさは直径2.95m、ローレン400馬力発動機にに装備されていた。これらの情報から、このプロペラは、広工廠で製造されたF−5飛行艇のうち、発動機を換装した試作型(F−1号飛行艇)のものであると考えられる。 |
|
|
|
<プロペラのはたらき>
プロペラのブレード(羽根)の断面は航空機の主翼と似た形をしている。プロペラの回転によりブレードは空気中を高速で進むが、この時、ブレードに揚力が発生し、機体を前進させる推力となる。
しかし、プロペラ機が出せる速度には限界がある。プロペラの回転数を上げていくと、ある時点で、機体速度よりも先にブレード先端部分の速度が音速に達し、衝撃波が発生して推力が落ちてしまうためだ。そのため、現在のターボプロップには時速700qを超えるものもあるが、一般的には巡航速度は時速500q程度に設定されている。
<ブレードのねじり>
ブレードは推力を得るために、回転方向に対してある羽根角(ピッチ角)をもって設定されている。回転半径の違いから、ブレードの部分によって空気中を移動する速度が異なるため、最適なピッチ角もそれぞれ異なる。先端に近づくほどピッチ角が小さくなるなるようにねじった形になっているのは、そのためである。(説明文は現地解説文より引用。4段目は、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館) |