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三嶋大社 伊豆国一の宮   静岡県三島市
三嶋大社
三嶋大社 三嶋大社
三嶋大社 三嶋大社
三嶋大社
 元の官幣大社で、祭神は事代主命・大山祇命であり、事代主命は古来から俗に恵比須様と唱えて福徳の神として、商工業漁業の崇敬厚く、又、大山祇命は山林農産の守護神として農家の尊崇が厚い。
 往古からここに御鎮座になり、朝廷の崇敬厚く宮中八神殿に祀られて皇室の守護神として仰がれ、延喜の制には名神大社に列せられ、伊豆国の一宮正一位三嶋大明神として四辺の尊崇が厚い。明治4年官弊大社に列せられた名社である。
 源頼朝が伊豆蛭ヶ小島に流寓の際、源家再興を祈願し、覇業なるに及んで益々尊崇篤く、報賽の為に社領神宝を献じ社殿の造営を行ったことは東鑑に明白である。
 爾来日本総鎮守と仰がれ、鎌倉幕府を始め諸将の崇敬厚く、東海道の要衝にあたって鎮座しているので中世以降は海道筋の名社として名高く、又箱根の嶮を越ゆる者は必ず当社に参拝して道中安全の祈願を籠めたもので、又地方の人々も福徳の神・商売繁盛・大漁満足・五穀豊穣の神・交通安全の守護神として大いに崇敬される。(説明文より)戦後官幣の制度は廃された。
三嶋大社 三嶋大社
三嶋大社 三嶋大社
社殿
 嘉永7年(1854)11月4日の東海大地震に社殿工作物悉く倒壊し、時の神主矢田部式部盛治が、10年の歳月を費やし総工費1万6677両余りの巨費を以て慶応2年(1866)9月9日完成させた。総欅造りの豪壮なもので関東随一を誇り、周囲の彫刻も又比類ない傑作である。其の他の社殿も慶応4年9月相次いで完成した。
 本殿と拝殿の間に幣殿が納まっており、本殿の高さは23mにも及び、出雲大社と並んで国内最大級を誇る。平成12年(2000)に、国の重要文化財に指定された。
三嶋大社 三嶋大社
三嶋大社のキンモクセイ(国指定天然記念物)
 この樹木は、ウスギモクセイの雄木として、日本有数のもので、大社の神木として大切に保存されている。樹齢は1200年を数えると伝えられ、訪れる参詣者の目を引いている。
 根廻り約3m、高さ地上約1mのところで二大枝幹に分かれている。枝の展開は円形であり、その先は地面に届くほど垂れている。
 9月上旬から中旬にかけて一度開花し、9月下旬から10月にかけて再び開花する。
 淡黄色で可憐な花をつけ、甘い芳香を発するが、その香は神社付近はもちろん、遠方にまで及び、時に二里(約8q)先まで届いたと伝えられている。
三嶋大社 三嶋大社
神池
 天長4年(828年)神池の水が渇れ天下大早し神官の訴えにより、 朝廷は三嶋神殿において澪祭(雨乞)を行せました。 6月11日から15日まで大雨が降ったそうです。 時の帝は当社に圭田を寄せ神官に禄金財帛を賜りました。
 元暦2年(1185年)8月に源頼朝は神池に於て放生会を行い、 その際に糠田郷・長崎郷を三嶋社の料と定めたそうです。
三嶋大社 三嶋大社
たたり石(上画像左)
 この石は大社前旧東海道の中央にあり、行き交う人の流れを整理する役目を果たしていた。たたり(絡?)は本来糸のもつれを防ぐ具であり整理を意味する語である。
 後に往来頻繁になりこれを取り除こうとする度に災いがあったと言われたたり(絡?)が祟りに置き換えて考えられる様になったと言われている。
 大正3年(1914)内務省の道路工事によって掘り出され神社に於いて此処に据えられた。今日では交通安全の霊石としての信仰がある。
源頼朝旗挙げの碑(上画像右)
 治承四年八月十六日源頼朝は、北条時政を招き旗挙げの相談をし「先づ八牧判官兼隆を夜討ちにすべし急ぎ相計へ」 時政「但し今夜は三島社御神事にて、国中には弓矢とる事候はず」(源平盛衰記)との意見を入れ、十七日夜討と決定した。十七日藤九郎盛長を奉弊使として戦捷を祈請し(東鑑)旗挙げに成功したのである。
 二日後、すなわて八月十九日、報賽の為神領寄進の下文を寄せた。現在この下文は宝物として社蔵されている         三島大社宮司  原勝治 撰   
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