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<閑臥庵>(かんがあん)
黄檗宗の禅寺。もとは梶井常修院の宮の院邸であったが、江戸時代前期には後水尾法皇が、夢枕に立った父・後陽成天皇の言葉に従って、王城鎮護のために貴船の奥の院より鎮宅霊符神をこの地に勧請し、初代隠元禅師から6代目の黄檗山萬福寺管長千呆(せんがい)禅師が開山となって寺としたのが当寺の起こりである。
北辰鎮宅霊符神は十干十二支九星を司る総守護神である。
御所の祈願所として法皇自ら「閑臥庵」と命名し、御宸筆の額を寄せて勅号としたほか、法皇は、春に、秋に、和歌を詠んで庭を愛でたといわれ、秋の句
「明けぬとて 野辺より山に入る鹿の あとふきおくる 萩のした風」
など、御宸翰その他が今も伝えられている。
また、法皇も好んだ黄檗宗特有の精進である普茶料理が、今は教化の一部として一般に饗されている。 |
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