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成田山新勝寺は、天慶3年(940)開山の真言宗智山派の大本山です。開山の祖は真言宗で初の大僧正であり、また芸事にも秀で当時第一級の文化人として知られた寛朝(かんちょう)大僧正です。大僧正は仏典に節をつけ唱える伝統音楽「声明(しょうみょう)」の第一人者でもあった。
薬師堂は、このような縁起をもつ当山の本堂として明暦元年(1655)に建立。江戸元禄期から続く成田詣のきっかけとなった建物だが、参詣信徒の増加に応じた新しい本堂の建立を経て、新勝寺の境内から離れた現在の地へと移築された。当山で現存する最古の御堂であり、創建当時の趣を残す貴重な建物です。 |
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重要文化財として仁王門、三重塔、釈迦堂、光明堂、額堂がある。本尊は大日大聖不動明王。平安期、天皇より命じられ、護摩祈願によって将門の乱を収束させたという開山縁起を持つ。開山以来、当山では一日も欠かさず護摩祈願を続けている。
全国に別院、末寺、末教会および講社、奉賛会があり、多数の信徒の尊信を集めている。 |
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<三重塔>
正徳2年(1712)に建立され、宝暦7年(1757)、享和元年(1801)、安政5年(1858)の大修理が行われている。昭和58年(1983)現在の姿に復元された。
塔の初層内陣には金剛界大日如来の「五つの智慧」をあらわす五智如来(大日如来・阿しゅく如来・宝生如来・阿弥陀如来・不空成就如来)が安置されている。
塔の高さは相輪頂上まで約25mで初重の柱、長押(なげし)、台輪等に地紋掘りを、各重の尾垂木の先端部は竜の丸彫で飾り、脇間板壁には十六羅漢の彫刻をめぐらしている。また板軒(いたのき)には雲文を浮彫りにして極彩色を施すなど、江戸時代中期の極めて華麗な塔である。
昭和56年(1981)から58年にわたり漆塗・彩色工事を主体とした保存修理工事を行ったが、この工事は享和3年(1803)の古文書に書き留められていた漆塗、彩色の仕様をもとに復元された。(重要文化財) |
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<一切経堂>
一切経堂は、享保7年(1722)当山中興第一世照範上人によって建立された。中央の転輪経蔵に収まる一切経約二千冊は、仏典の集大成である。
彩色あざやかな輪蔵周囲の桟唐戸(さんからと)には、四天王と十二神将の彫刻が施され、この輪蔵を八体の鬼神が支えている。
入口上部の扁額は白河楽翁の筆。経堂周囲の八つの火頭窓は、中国の故事説話を題材とした見事な木彫刻で飾られている。堂内には、中国南北朝時代に輪蔵を創案した溥大士(ふだいし)と普建(ふこん)、普城(ふじょう)が祀られている。(成田市指定文化財) |
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<釈迦堂>
安政5年(1858)に建立された前本堂であり、大本堂の建立にあたって昭和39年(1964)現在地に移築された。
本尊には仏教を開かれた釈迦如来が安置されている。周囲の板壁には、修行僧として最高位に到達し、功徳を備えた五百羅漢像を見事な浮彫り彫刻で8面、また扉には、中国の代表的な孝子物語である二十四孝12面を
付けるなど堂内の華麗な欄間彫刻と共に、時代の特徴をよく あらわしている。板壁の五百羅漢は、絵師狩野法眼一信の下絵をもとに、仏師松本法橋良山(通称不動金兵衛)が、10年の歳月を費やして彫刻したものである。また扉の二十四孝は、無関堂島村俊表
(むかんどうしまむらしゅんぴょう)の作である。
建物は5間堂で、中央の柱間が広くとられている。屋根は入母屋造の瓦棒銅板葺で、正面には千鳥破風や軒唐破風付の向拝を設け、荘重さを加えている。建物は、三手先を詰組とし、軒は二軒の繁垂木で総欅木を用いている。(重要文化財) |
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<五百羅漢八枚>
狩野一信の下絵に基づき、松本良山が10年の歳月を費やして彫刻したものである。五百羅漢一人一人の表情をよくみると亡くなった親族や知人の面影が、必ず見受けられるといわれている。
<二十四孝十二枚>
島村俊表作。二十四孝の物語が扉一枚に二話ずつ彫り込まれている。 |
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<仁王門>
文政13年(1830)に建立された八脚門で、正面向かって左側には密迹金剛(みっしゃくこんごう)、右側には那羅延金剛(ならえんこんごう)が安置され、境内の入口である山門にあって、諸堂伽藍を守っている。特にこの二尊は昔から「朱振りの仁王尊」といわれ信仰されている。また、裏仏には、左側に人々に福徳をさずける多聞天を、右側には仏心を起こさせる広目天を安置している。
屋根は入母屋造銅板葺で、正面に大きな千鳥破風、背面に軒唐破風を付けている。組物は三手先の詰組とし、軒を二軒の扇垂木としているところなど、八脚門としては類例が少なく、材料工法とも極めて優秀で江戸時代末期の特色をいかんなく発揮した建物といえる。頭貫上の各柱間には、後藤亀之介作の竹林の七賢人や司馬温公瓶割り等の彫刻が施されている。なお正面に掲げられている「『成田山」の大額は東大寺の別当道恕(どうじょ)上人の筆になる。(重要文化財) |