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西国第三十一番 姨綺耶山(いきやさん)長命寺は、『健康長寿の観音さん』で親しまれている。
<長命寺・本堂>
重要文化財。本堂は永正13年(1516)の焼失後、大永2年(1522)から大永4年(1524)にかけて再建されたことが勧進帳に記されており、寺内で現存する最古の建築である。昭和5年(1930)から昭和7年(1932)にかけて解体修理が行われた。
桁行7間、梁間6間(正面20.41m、側面20.5m)、一重、入母屋造、檜皮葺の大建築で、当初は、正面の全て、東面の正面から一間、西面の正面から3間を吹放しとし、扉や壁面を造っていなかった。
外陣内部は柱が並び、荘厳である。奥の内陣には須弥壇が築かれ、真中に再建当初からの厨子(重要文化財である本堂の附)があり、千手観音立像を中心に左側に聖観音立像、右側に十一面観音立像(全て重要文化財)が安置されている。
本堂は、中世の和様仏堂の好典型としても貴重な遺構であり、無駄な装飾を用いない、格調の高い建築である。 |
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<長命寺・三仏堂>
県指定有形文化財。三仏堂は元暦元年(1184)佐々木義秀の菩提を弔うため、その子定綱が造立したと伝え、釈迦・弥陀・薬師の三尊を祀る。
この仏堂は永正13年(1516)の焼失後に再建されており、渡廊下で結ばれた護法権現社拝殿と同時期の永禄頃の建立とみられる。
桁行5間、梁間4間の入母屋造、檜皮葺で、側廻りは円柱にに舟肘木をのせた簡素な造りであるが、内部は木鼻・実肘木を入れた三斗を組む。軒は二軒疎垂木で、背面では一軒としている。内陣廻りは寛政5年(1793)に改造を受けているが、その他には当初の部材が良く残り、県下でも数少ない持仏堂形式の貴重な遺構である。 |
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<長命寺・護摩堂>
重要文化財。護摩堂は本尊不動明王、古来、天下泰平宝祚延長長寿開運諸願成就を護摩祈祷する道場であり、慶長11年(1606)に三重塔に続いて再建されたことが、露盤に銘打たれている。再建後間もなくの屋根葺替えで二重軒付に変更されたが、昭和49年(1974)の半解体修理で一重軒付に復原された。
桁行3間、梁間3間(4.86m)の宝形造、檜皮葺、丹塗の建築で、内部は北面中央間の測柱前に角柱2本を立て、その中に仏壇を設けている。なお、寛政5年(1793)にこの仏壇上に壇(漆塗り)を重ねてその上に作る付け厨子(塗装なし)を新造している。
三間四方の正面中央は淺唐戸、正面左右は連子窓で、側面中央は板扉または板戸、側面前方は連子窓で、他は板壁という簡素な造りである。また、柱は全て角柱で、絵様大斗肘木に軒先は疎垂木木舞打という軽やかな姿である。 |
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<長命寺・鐘楼>
重要文化財。鐘楼は慶長13年(1608)に再建されたことが、上棟用木槌に墨書されている。昭和49年(1974)に部分修理が行われた。
入母屋造、檜皮葺で、一見したところ普通の袴腰(下方が広がっている城の天主台の様な形の部分)付の鐘楼だが、柱の配置が少し違っており、下層は2間2間(各面3.33m)であるが、上層は南北面2間(各面3.03m)である。これは、撞木を吊る関係で3間にしたと考えられ、興味ある方式である。
一重、二重ともに三手先組物を備える本格的な建築で、概ね和様を基調としているが、妻飾や懸魚の形は禅宗様を取り入れている。他の諸堂と共に重要な伽藍の一つで、寺観を整えるのに大いに役立っている。
なお、内部の梵鐘は鎌倉時代に遡る古鐘で、県指定有形文化財となっている。 |
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<長命寺・三重塔>
重要文化財。三重塔は元応2年(1320)に竣工の式が執り行われ、佐々木時信がこれを祝して馬一疋を奉加した。
永正13年(1516)の焼失後、天正17年(1589)から慶長2年(1597)にかけて再建されたことが、昭和39年(1964)の解体修理により判明している。
三間三重塔婆、柿葺き、各重とも高欄付の縁を廻し(初重四隅のみ擬宝珠付)、外部は総丹塗である。高さは24.35mで、県内に現存する三重塔七基の内、二番目の高さを誇る。初重内部は四天柱で内外陣に分けられ、四天柱内一杯に須弥壇が築かれており、本尊の大日如来座像、四天王立像(全て市指定文化財)が安置されている。
塔全体で余裕のある形態を持ち、比較的遺構の少ない桃山時代の塔として貴重な遺構である。 |
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<長命寺・修多羅岩>
修多羅岩 すたらいわ 修多羅とは、仏教用語で天地開闢(かいびゃく)、天下太平、子孫繁栄を言う。封じて当山開闢長寿大臣、武内宿彌大将軍の御神体とする。 |
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琵琶湖岸のそばから808段といわれる長い石段の参道がある。山門の下にある石碑(長命寺と彫られて石碑)に駐車場があるので、車でそこまでは行くことができる。
長命寺からは琵琶湖が見え、一休みするには格好の場所でもある。
「御詠歌: 八千年(やちとせ)や柳に長き命寺運ぶ歩みのかざしなるらん」 |