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<平家伝説の里 東祖谷落合集落>
落合集落は、東祖谷のほぼ中央、祖谷川と落合川の合流点より山の斜面にそって広がる集落である。集落の起源は明らかになっていないが、平家の落人伝説や開拓伝承などが祖谷地方には残っている。南北朝時代には落合氏はじめ菅生氏、西山氏ほかが南朝方として戦ったことが確認され、中世には集落が形成されていたとみられる。近世に入ると煙草や馬鈴薯などの栽培が確認され、昭和40〜50年頃まで葉煙草や各種麦、水陸稲の生産や養蚕を行う山村として維持されていた。
保存地区は東西約750m、南北850m、面積約32.3haの範囲であり、地区内の高低差は約390mに及ぶ。斜面を下る里道と、等高線に沿って東西にのびる里道が集落のフレームを形成し、この里道よりさらに道を設けて屋敷地や耕作地に至る。屋敷地は地区内全域に散在し、その周囲に耕作地が配されている。屋敷地や耕作地は等高線に沿った細長い形状で、石垣を積み、造られている。
保存地区は、山の中腹から麓にかけて立地する山村集落であり、江戸中期から末期に建てられた主屋等を多く残し、畑など耕作地や社叢、石垣、里道など周辺環境とともに一体となった歴史的風致をよく伝えており、その価値は高く評価され、平成17年(2005)に重要伝統的建造物群保存地区に選定された。 |
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