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賓日館は明治20年(1887)、伊勢神宮の賓客の休憩・宿泊施設として、藤堂藩の砲台跡地(敷地面積千坪余り)に、神宮の崇敬団体・財団法人神苑会によって建設された。明治天皇の母・英照皇太后の宿泊(3月7日)に間に合うよう、明治19年(1886)12月に着工、翌年2月19日に竣工という驚くほど短期日で開館した。
明治24年(1891)7月29日から8月21日までの3週間余り、後の大正天皇・皇太子明宮嘉仁親王が避暑と療養並びに臨海学校の教育目的のため、賓日館に滞在したのをはじめ、歴代諸皇族、各界要人が数多く宿泊している。
賓日館は明治末期から大正初年にかけてと、昭和5年(1930)から同11年(1936)にかけての2回、大増改築が行われている。重厚な唐破風の玄関や壮麗な大広間など、現在の賓日館は昭和5年に始まる大増改築により完成した。設計監理に当たったのは、昭和4年(1929)の神宮式年遷宮で主任技師を務めた建築家・大江新太郎と塩野庄四郎の二人です。
賓日館は、当時一流の建築家による品格ある洗練されたデザインと、選び抜かれた材料やそれに応える職人たちの技など、建築学見地からだけでなく、二見町の近代史を語る上でも、欠くことのできない大変貴重な文化財といえる。
現在、賓日館は国の登録有形文化財に登録されている。 |
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