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富士山麓一帯、青木ヶ原樹海内には風穴、氷穴などの名によって呼ばれる洞穴が無数に散在し、世界的に著名である。その成因は日本各地に点在する石灰岩による鍾乳洞とは異なり爆発して流出する溶岩の中部にガス体を含み、外部がさめて収縮する際、内部はまだ高熱の流動体であるため、外部からの圧力により、外皮の弱い所押し破りガスや溶岩を吹き出した後に残った空洞がすなわち、これらの洞穴であると地質学者によって解かれている。
この洞穴は、南北方面に走る110mの主洞と西東に走る120mの間道からなり、巾4〜7m、高さ2〜10mの規模をもつ大きなもので内部は堅い細密な溶岩が層状を呈し、一部には溶岩棚や磁気をおびた溶岩も見られる。
洞底には水がたまり、冬期に結氷したまま夏を過ぎても溶けることが少ないため常に洞内の温度も平均3℃と非常に珍しい洞穴である。天然記念物。昭和4年(1929)指定。 |
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<繭玉の貯蔵>
養蚕が盛んな大正の初期から昭和30年頃までは、長野、埼玉、群馬などから繭の中でも成育良好な繭玉だけを収集し、箱に入れてれて富岳風穴まで運ばれて来たものを保管されていた場所です。目的は成虫にならないように生きている繭玉を(缶の窓越しに見られる)冷暗貯蔵して、夏繭、秋繭用として出荷されている。
<ロール状溶岩(通称蛇石)>
洞窟内のガスが抜け出て、周囲が冷え固まった後、奥の方から流れ出したマグマが、行き場を失い両側に大蛇のように、盛り上りまるく固まった物で、二層溶岩洞穴をなしている、非常に珍しい形態です。
<群生する珪酸華>
これより先の、岩かべに青白くついた光るものは(通称光り苔)珪酸華と言われ、洞窟に住む、目のない微生物の餌になる物で、この様な一面に銀色の反射を見せる所は珍しいといわれています。 |
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富岳風穴の出入り口。この地区は青木ヶ原自然歩道(東海自然歩道)のコースになっている。青木ヶ原の樹海は、西湖・精進湖にまたがって広がっている面積25平方q余りの原生林で、モミ・ツガ・ブナなどの樹齢300年を経た大木やコケ類が溶岩流の上に生い茂り、昼でも暗いうっそうとした森林です。 |
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<樹海特有の露出する樹木の根>
青木ヶ原樹海16q四方に跨(また)がる溶岩地帯の上にわずか数p、何百年もの長い間蓄積した樹木の葉、数十種類の苔などの栄養と水分を吸収し、わずかな溶岩の切れ目に広がる根は、他の山に比較して、その長さもはるかに長く伸び、樹齢300年以上をへても、大きく太ることなく、互いに抱き合う様に密生し、昼なお暗い原生林、これが青木ヶ原樹海です。 |