|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
川端康成の小説「伊豆の踊子」の書き出しで有名な「旧天城トンネル」へ向かう天城路の様子である。この路は「踊子歩道」と命名されている。
踊子歩道は、浄蓮の滝と河津七滝(かわずななだる)を天城超えに結ぶ、16.2q(所要時間約8時間)のコースで、川端康成の小説「伊豆の踊子」を思い浮かべながら、天城の自然を味わうことができ、訪れる旅人の夢とロマンを誘う「自然と歴史」の散策歩道です。
途中には、昭和の森センター、二階滝、大川端、宗太郎園地等の休憩地点があり、太郎杉(天然記念物)に至る歩道、「モリアオガエル」で有名な、八丁池に至る御幸歩道が分岐している。旧天城トンネルは、現在、天城山隧道と呼ばれている。トンネルの少し前に川端康成のレリーフと「伊豆の踊子」の書き出しが書かれた碑がある。
<伊豆の踊子>
道がつづら折りになって、いよいよ天 城峠に近づいたと思うころ、雨脚が杉の 密林を白く染めながら、すさまじい速さ でふもとから私を追って来た。私は二十歳、高等学校の制帽をかぶり紺がすりの着物にはかまをはき、学生カ
バンを肩にかけていた。一人伊豆の旅に 出てから四日目のことだった。修善寺温 泉に一夜泊まり、湯ケ島温泉に二夜泊まり、そして朴歯の高下駄で天城を登って
来たのだった。重なり合った山々や原生 林や深い渓谷の秋に見とれながらも、私 は一つの期待に胸をときめかして道を急 いでいるのだった。 |
|