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襟裳岬は、霧の名所である。この日は霧が深く遠方がガスってしまいよく見えない。聞こえてくる音で岬の前方を想像する。
<名勝 ピリカノカ 襟裳岬>
ピリカノカとはアイヌ語で、「美しい・形」を意味し、アイヌの物語や伝承、祈りの場、言語に彩られた優秀な景勝地群を総称するものです。
襟裳岬の名はアイヌ語の「オンネエンルム」から由来しており、「大きく・突き出たところ」すなわち大きな岬を意味している。
「エルム」には「ねずみ」の意味もあり、太平洋に突き出た岩礁をネズミが跳びはねる走る姿に見立てた。
アイヌの神謡(カムイユカラ)には「エルムノッ ト レプンカムイ」(襟裳岬のシャチの神)がある。
襟裳岬は風が強く、波が荒れ、江戸時代より海の難所として知られていた。木村謙次「蝦夷日記(1798〜99)」には「エリモ岬ではアイヌはイナウを立てて神酒を供える」、松浦武四郎「蝦夷日記(1845)」には「アイヌはここを通る時はイナウを削り納めて通過する」と記述されている。
松浦武四郎「戌午東西蝦夷山川地理取調日誌(1858)」には「モノク子(岩礁帯先端部にある岩礁)にコンブが多く生えているが、アイヌなどはエリモ様のおひげだとして、昔から採ることはない」と記載され、アイヌにとって神聖な場所であることがわかる。
指定面積は、エリモ岬の崖と岩礁、周辺海域の1.976㎢です。 |
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<風のかたち・カルマン渦>
「風の館」のモチーフであるカルマン渦は風の現象のなかで、興味あるもののひとつです。流れの中に柱状の物体を置くと物の両側から渦が交互に周期的に後方の流れの中に放出され2列の渦が規則正しく並ぶようになる。このような渦列は、この現象を解明した流体力学者カルマンの名前をとって、「カルマンの渦列(Karmar
vortex street)と呼ばれる。風に鳴く電線の音も、もの悲しい木枯らしの音も、カルマン渦によるものです。 |
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<日高山脈襟裳国定公園>
日高山脈襟裳国定公園は北海道を東西に二分する日高山脈の主要部分と広尾町から襟裳岬周辺にかけての海岸線一帯及びアポイ岳周辺地域から成り、国定公園としては全国一の規模(面積は103,447ha)をもち、わが国有数の山岳公園である。
日高山脈の地形で最も特徴的なものは幌尻岳を中心とする氷河圏地形(カール)の存在である。洪積世後半の第3〜第4氷河期に形成されたもので、形成時期を細別されるものとしてはわが国でも数少ないものであり、学術的にはもちろn景観的にも極めて貴重なものである。その日高山脈が太平洋へ沈むところが襟裳岬である。
勇壮な断崖と紺碧の海は大景観をおりなし、岬の突端から約2qにわたって連なる岩礁は白い波が砕け散り、さらに海面下を約5qも続き、北海道の数ある景勝地の中でも、ひときわ壮大な印象を与えてくれる。 |