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しとどなり 青石たたみ 秋の雨
美保関は江戸時代に北前船の西廻り航路の寄港地として栄え、美保神社から彿谷寺までの青石畳通りは多くの人々で賑わった。当時の面影を残す町並みと青石畳の道が、落ち着いた雰囲気を醸し出している。
青石畳通りは、美保神社の門前から仏谷寺まで続く約300メートルの石畳の道。海運交通が主だったころは、美保関港から同神社へのメーンルートで、飲食店や土産物屋が軒を連ね、豊作を祈って全国から押し寄せた泥落としの参拝客や観光客で栄えた。
しかし、昭和40年代にマイカーが普及し海岸通りができたため、青石畳通りは裏通りとなり、歩く人の姿がまばらになった。観光客の減少も追い打ちをかけ、現在はほとんどが店を閉めた状態になっている。このため、先行きに危機感を持つ商工会や同地区で旅館を営む住民らが再活性化に立ち上がり、昨年5月、ワーキング委員会を組織。通りに面した世帯主を対象にアンケート調査を実施し、にぎわいを復活させる方策やアイデアを募った。
昨年末には、具体的な事業を行うため、ワーキング委員会のメンバーでつくる青石畳空き店舗対策委員会を設立。「にぎわい・ふれあい・美保関」をコンセプトにした取り組みを始めた。12年度の事業では、与謝野晶子や高浜虚子など文豪が宿泊した由緒ある旅館を利用し、美保関を題材にした文学などを紹介する「まちかど文学館」、和ろうそく、竹細工などを販売する懐かしい雰囲気を漂わせた店舗などを7月をめどにオープンさせる。さらに実際、漁船に乗り込んで伝統漁法「あご(トビウオ)すくい」を体験するツアーや、小中学生を対象に漫画家の水木しげるさんを迎えた親子妖怪談議ツアーなどのイベントも計画している。旅館役員の西垣委員長は「今回の取り組みを地区全体で盛り上げ、美保関の良さを外に発信していきたい」と意欲を燃やしている。(「Web-さんいん」より) |
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