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桜ヶ池は、約2万年ほど前、砂丘がせき止められてできた堰止湖(せきとめこ)で、広さは約2万平方メートル。毎年、秋のお彼岸の中日には、この桜ヶ池で「納櫃祭」というお祭が行われ、大勢の人で賑わう。身を清めた地元の氏子数十名が池の中央まで立ち泳ぎし、赤飯が詰まったお櫃を沈め、龍神に供える。数日の内に中が空になり水面に浮かび上がると、そのお櫃にこめられた願いがかなうといわれている。
また桜ヶ池は長野県の諏訪湖と地下でつながっているとも言われ、お櫃納めで底に沈めたお櫃が諏訪湖に出ることもあるらしい。
そのほかの「遠州七不思議」(静岡県西部地方を遠州地方と呼ぶ)のひとつでもある、水窪町(現浜松市天竜区水窪町)の「池ノ平」とも関係が深く、桜ヶ池に住む龍蛇が諏訪湖に登る際に、7年に1度水窪町の山林のなかに出現すると言われる幻の湖で休んでいくという伝説もある。 |
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<「おひつ納め」と「皇円阿闍梨」>
皇円阿闍梨(こうえんあじゃり)は肥後國(熊本県)に生まれ、幼くして比叡山で学問・仏法を修業され後に日本の歴史書「扶桑略記」三十巻を記した。
皇円上人は悟りの境地を得るため天台の「止観」といおう方法に基づき、様々な難行・苦行を重ねられた。しかしながら仏法の極め難きを知り、五十六億七千万年後に出現すると伝えられる弥勒菩薩に会うことを発願された。そして、その弥勒菩薩の教えにより人々を悩みから救うことができると考え、嘉応元年(1169)6月13日(96才の時)身を龍と化し、この桜ヶ池に入定された。おひつ納めは、後に皇円上人の高弟、法然上人(浄土宗の開祖)が桜ヶ池を訪れ、師である皇円龍神の安泰と五穀豊穣を祈り、赤飯をつめたおひつを神社に一箇、桜ヶ池に一箇納めたことに由来する。
以後、親鸞聖人(浄土真宗の開祖)、熊谷蓮生坊直実(1141〜1208)が継承し、以来八百数十年続いている奇祭である。
また、この桜ヶ池は信州(長野県)諏訪湖と底が続いているとも言い伝えれている 。それはすべての命をはぐくむ水の神様を共に崇め感謝すという、古代人から現在に至るまで心の底が通じていることを象徴している。
御参拝の皆様も、慈悲深い皇円上人、そして大自然の恵みに合掌して感謝いたしましょう(説明板) |
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<桜ヶ池とおひつ納め>
桜ヶ池は、約2万年前に出来た砂丘堰止湖です。県立自然公園の一環にあり、静岡県の自然百選の森に選ばれた神秘な原生林に囲まれた県指定名勝地です。
桜ヶ池のほとりにある池宮神社のお祭りに、五穀豊穣を祈るため、秋の彼岸の中日に行われる「おひつ納め」(県指定無形民俗文化財)がある。平安末期比叡山の名僧皇円阿闍梨(こうえんあじゃり)が衆生救済のため龍蛇と化し入定(入滅・聖者が死去すること)され、池の主神となられた。この霊を高弟の浄土宗開祖法然上人(1133〜1212)が供養のために桧づくりのおひつに赤飯をつめ、一つは池宮神社に、一つは師の皇円阿闍梨にと、池心に沈めたことから始まり、以来今日まで続いている遠州七不思議の一つにあげられている。 |