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<桶ヶ谷沼>
桶ヶ谷沼は、磐田原台地の東の谷間に台地から水が浸み出してきた沼です。沼の両側は林に囲まれ、排水など人為的な汚染がないので昔ながらの動植物が生き続けている。特にトンボは、日本一の多産地で有名で、67種類が記録されている。沼の面積は約8ヘクタールだが、アシやマコモが周囲を覆い、開けた水面は半分位しか見えない。盛夏には、そこにもヒシやオニバスなどの水草が繁茂し、この地方の池沼の本来の姿を留めている。
この沼にはウシガエルなどの両生類、ライギョ、カワバタモロコなどの魚類やさまざまな水生昆虫など数多くの水生生物が住んでいる。それら生物には食べるものと食べられるものの関係があるが、その組合せは複雑です。桶ヶ谷沼は生物の生産量が豊富で、しかも限られた水域の中で食物連鎖のバランスが絶妙に保たれた素晴らしい地域である。
<桶ヶ谷沼で観察できるトンボ>
ベニイトトンボ、モノサシトンボ、コバネアオイトトンボ、オツネントンボ、ムカシヤンマ、フタスジササエ、サラサヤンマ、アオヤンマ、マルタンヤンマ、トラフトンボ、ベッコウトンボ、ヨツボシトンボ、マイコアカネ、コシアキトンボ、チョウトンボ |
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<「桶ヶ谷沼を考える会 トンボ天国保全トラスト」>
その場所をみんなで買い取って守ろう、というのが、ナショナルトラスト運動の基本です。
子供の頃、遊び場にしていた山や森が、いつしか宅地や工場などに変わり果てていませんか。どうやら土地というものは、個人や企業の所有物になってしまうと開発が進んでしまうようです。所有物である以上、正式な申請が下りれば誰にもその開発を止めることができません。ただ、何百年も何千年も前からそこで暮らしている動物や植物をまったく無視して、自然の形を変えてしまうのは人間のわがままではないでしょうか。
そこで、おおぜいの人々がお金を出しあって自然や文化材を買い取り、維持・公開していく運動、「ナショナルトラスト運動」が注目されています。もともとは1895年にイギリスで始まり、現在では全世界で盛んに活動されるほどに世の中へ広く浸透してきました。1986年、この桶ヶ谷沼においても、「桶ヶ谷沼を考える会」を発足し、ナショナルトラスト運動の展開をスタ−トさせています。この保護運動は自治体にまで広く理解されることとなり、県予算による土地購入という形で約60ヘクタールとおいう面積は確保されました。しかし、まだ近隣には取得されていない土地が残っており、絶滅危惧種であるベッコウトンボの生態系をおびやかしています。今後、さらに環境の保護を完全にするため周辺の土地確保に向けて、運動を続けてきました。みなさまのご理解とご協力を、動物や植物たちに成り代わりお願い申し上げます。 |
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