ムーア川の流れる古都グラーツは、ウィーンに次ぐオーストリア第2の都会で、シュタイマルク州の州都。グラーツという名称はスラブ語で「小さい城」を意味する「グラーデッツ」からきている。
シュロスベルク(城山・標高473m)の上にある時計台は、この町のシンボル。ここから見おろす旧市街の中世の町並みは殊のほか美しい。天気がよければはるかにアルプスを望むことができる。
ケプラーの法則でおなじみの天文学者ケプラーはグラーツで数学教師をしていてことがある。かつてシューベルトもこの町に住み、そして名指揮者カール・ベームの生家と墓もこの町にある。
グラーツは戦場にならなかったため中世を思わせるような建物が残っている。煙突から煙りが出ている家もあり、生活感のある一帯である。市内中心部の近代的な建物とこうした伝統的な建物が共存していることがすばらしい。昔の建物をいわば遺物的な扱いというか資料的な物として飾っておくのではなく、そこで生活しているという事実が素晴らしい。敬服した。日本ではこうした所はどこにあるかな。飛騨の合掌造り集落がそれにあたるのかもしれない。この画像と動画は、平成2年(1990)のものです。 |